イタリアのアペリティーヴォ(食前酒)

アペリティーヴォがどのように生まれたのか思いを巡らせたことはありませんか?モダンな習慣だと思われているアペリティーヴォですが、実は想像もつかないほど古代にルーツがあります。

ちょっとした歴史

イタリア語のaperitivo (アペリテーヴォ)は、文字通り”始まり”という意味のラテン語“aperitivus(アペリティヴス)”からきています。その歴史は紀元前5世紀にさかのぼり、ギリシャの医師ヒポクラテスが初めて導入しました。彼は食欲のなくなった患者に、ヒポクラタム、と言う白ワイン、オリガヌム・ディクタムヌスの花、ヘンルーダ、ニガヨモギで作った飲料を与えて治療を試みました。この飲料は次世代にも受け継がれ、中世にはヒポクラタムを与えられた人は主に材料から溶け出した風味によって食欲を回復することがハーバリストの研究により明らかとなりました。

Italian aperitivo

ハーブ味のサクセス

現代のアペリティーヴォに近いものは16世紀のトリノに登場しました。この頃アントニオ・ベネデット・カルパノが 南米西部の熱帯、アンデスの森の特別な植物、キナの木などのユニークな材料を使った香り高いワイン、ベルモットを発明。当時、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世 (サルディーニャの最後の王であり、イタリアの最初の王)がこのハーブの効いた飲み物を高く評価し、宮殿の公式な飲み物にしました。そしてすぐに、他の街も独自のハーブの聞いた飲料を提案し始めました。19世紀の前半には、アウザノ ラマッゾッティがミラノのスカラ座の近くに最初のバーを開店し 、アマーロ ラマッゾッティを提唱 。一方、ピエモンテではホワイト マティーニカンパリが 有名になりました。しかし、19世紀のアペリティーヴォは現代のものとは全く異なり、政治問題や時事問題をお茶を飲みながら議論しあう、洗練された上品なカフェで出されていました。20世紀になりオリーブやスナックと一緒に提供されるようになりました。

現代のアペリティーヴォ:“ハッピーアワー”

間もなく、アペリティーヴォは再び変化を遂げます。20世紀の1980年代と90年代になると、ミラノの人々は “ ハッピーアワー”と呼ばれるゆっくりと飲み物とつまみを楽しむスタイルのアペリティーヴォを始めました。“ハッピーアワー”は、通常仕事の後待ち合わせをして、午後7時頃に開始、夜遅くに終わります。バールやクラブでもテーブルに食事を用意し、人々は座って飲み物を注文、ビュッフェへおつまみを取りにいく、というスタイルのアペリティーヴォを提供しています。ほとんどの場合ビュッフェは食べ物の種類が豊富なため、食前酒を意味するアペリティーボ “aperitivo”にディナーを意味する“cena”をくっつけたアペリチェーナ“apericena”という呼び方も存在します。ポテトチップス、オリーブ、塩味のスナックはアペリティーヴォの基本です。さらに様々な前菜(グリルした野菜、モッツアレラチーズとトマトなど)、ピザ、パスタ、フライドポテト、ブルスケッタ、ライス、肉、そして時として魚などにも及びます。カウンターには、ケーキやデザートなどのスイーツが並ぶことも珍しくありません。

Typical food at Aperitivo

アペリティーヴォは美味しい飲み物とともに

その歴史から、最も有名なアペリティーヴォの飲み物はすでにお話ししたようにハーブ風味のカクテルです。しかし、バールやカフェではクラシックなものから特別なものまで、多くのカクテルや飲み物を提供しています。アペリティーヴォで最も有名な飲み物としては、白ワイン、苦味のあるリキュール、炭酸水で作ったスプリッツ、ジン、カンパリ、ベルモットで作った飲み物ネグローニ、そしてジンの代わりにプロセッコを使ったネグローニ・スバリアート (“間違ったネグローニ”の意)をご紹介する価値があるでしょう。
しかし、カクテルだけが食前酒として飲むことのできるお酒ではありません。ワインは常に選択肢の1つですし、クラフトビールも同様です。

Cocktails at aperitivo

… そして仲間と一緒に

イタリアの食前酒には常に若者の間で非常に流行してきました。しかし、最近では手頃な値段で美味しい食べ物を、仲の良い人々と楽しむことができるので、あらゆる年齢層の人たちがハッピーアワーを楽しんでいます。イタリア人はテーブルでの賑やかな雰囲気が大好き。

アペリティーヴォもそんな幸せな時間を楽しむ方法の1つなのです!